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%ベース設定でのトレーニングプログラムについて【質問回答】
質問内容
MTさんより
サイクルトレーニングなどでお馴染みの%式メニューですが再考の余地があると感じませんか?
冷静に考えると仮にスクワットのマックスが200キロの人の10%は20キロ、400キロの人の10%は40キロと倍近い差が生じます。これは同じ10%と考えても良いのでしょうか?海外のフォーラムでもあまり触れられていない話題だけに興味が惹かれます。
扱える絶対重量が大きい程1%あたりの重さも重くなると思いますが反対に絶対重量高い人の方が記録を伸ばすのは比例して難しいです。ウォームアップやパワーの試合での試技の重量設定は確かに同じ%で扱っている選手が多いし問題ないかと思いますが%ベースでのサイクルトレーニングの目標などでは再考の余地があるのではないかと考えております。
長くなりましたがアオクマさんのお考えを記事にして頂けますと幸いです。
このトピックスは今正に私自身も気になっていたことです。
まだ自分自身納得のいく答えを持てていませんが、現段階で感じていることを書かせていただこうと思います。
%設定について
%設定のプログラムでは使用重量が上がるにつれ、1回1回のトレーニングセッションで一気に使用重量が上がります。
使用重量が軽かった時には大体どのプログラムも2.5~5kg刻みで使用重量を上げていったのに、これが段々10kg刻みとかそれ以上になり刻み幅が大きくなっていきます。
私自身「本当にこんな設定でクリアできるのだろうか?」と疑問に思うことがありました。
しかし最近はトレーニングのサイクルが進んでくると意外と問題なくクリアできています。
ただし自体重のことも含めて考えるともうちょっと複雑になるかもしれません。
- 体重100kgでスクワットMAX200kgだと全重量は合計300kgです。 バーベル重量の10%である20kgは体重を含めた全重量から考えると6.7%となります。
- 体重100kg+バーベル300kg=400kg。30kgは7.5%
- 体重100kg+バーベル400kg=500kg。40kgは8%
- 体重60kg+バーベル200kg=260kg。20kgは7.7%
- 体重60kg+バーベル300kg=360kg。30kgは8.3%
- 体重60kg+バーベル400kg=460kg。40kgは8.7%
実際に自体重を含めて考えることが適切かどうかはわかりませんが、こうしてみると体重が重い程実際の重量の振れ幅がちょっとだけ小さくなるかもしれません。でも想像していたよりは小さい差です。
Instagramなどを見るとMAX重量が重い人はトレーニングで使用する重量の振れ幅も大きくなっている印象があるので、まあそういうものなのかなと思っています。
目標設定について
プログラムを仮に%設定ではなく重量設定刻みにした場合
セットごと、またはセッションごとの重量増加幅を%設定ではなく、決まった重量刻みにするとどうなるかを考えてみます。
- 2.5kg刻み:190kg→192.5kg→195kg→197.5kg→200kg
- 5kg刻み:175kg→180kg→185kg→190kg→195kg→200kg
- 10kg刻み:160kg→170kg→180kg→190kg→200kg
- 20kg刻み:120kg→140kg→160kg→180kg→200kg
- 5%(10kg)刻み:160kg→170kg→180kg→190kg→200kg
- 10%(20kg)刻み:120kg→140kg→160kg→180kg→200kg
上記を見ると、2.5kg刻みはかなりきつく、最後の200kg×5repsまで行くまでにかなり疲労が溜まってしまい、回復が間に合わず失敗する可能性が極めて高いと思われます。
一方20kg刻みでは毎回の重量変化が大きすぎて上手く適応できず、フォームが崩れてしまい失敗する可能性が高くなると思います。
5kgはちょっと微妙ですが5%(10kg)刻みであれば何とかできそうです。
- 2.5kg刻み:290kg→292.5kg→295kg→297.5kg→300kg
- 5kg刻み:270kg→280kg→285kg→290kg→295kg→300kg
- 10kg刻み:260kg→270kg→280kg→290kg→300kg
- 20kg刻み:220kg→240kg→260kg→280kg→300kg
- 5%(15kg)刻み:240kg→255kg→270kg→285kg→300kg
- 10%(30kg)刻み:180kg→210kg→240kg→270kg→300kg
300kgでみると、2.5kg刻み、5kg刻みは相当きつくて失敗しそうです。10kg刻みも恐らくかなりキツイと思います。私はそんな重量でできないので分かりませんが…特に2.5kg刻みなんかほぼほぼ毎回MAX重量に近い重量でトレーニングすることになります。
10%の30kg刻みは流石に刻み幅が大きすぎるように感じます。
となると、ここでも5%の15kg刻みぐらいが丁度良さそうです。
フィットネス-疲労理論によると基本的にフィットネスの向上は少しずつになるので、一気に重量を上げ過ぎると、適応できないばかりか疲労が多く溜まってしまい、途中でプログラムが破綻するのではないかと思います。
現実的に考えると重量の増加幅は5%前後に抑えてあとはトレーニングプログラムの期間や頻度、rep数、set数にもよって調整する方が良いと思います。
疲労を抜いてピークを作っていく場合は、短期間限定で10%刻みもアリかもしれません。
このように%刻みの方がより現実的なプログラムになると思います。
ちなみに重量の刻み方を%設定ではなく重量設定にすると、RPE(自覚的運動強度)で見た際、もととなるMAX重量が軽い方がプログラム後半でキツくなってきます。
まとめ
- 刻み幅が小さ過ぎると疲労が蓄積し過ぎて最後まで辿り着く前に途中で失敗する
- 刻み幅が大き過ぎると適応できず途中で失敗したりフォームが崩れる
- 5kgとか10kgと重量を決めて刻むと、もととなるMAX重量によっては丁度良くなる場合もあるが、合わない場合もある
- %設定の方がMAX重量に関係なく現実的な設定にしやすい
- %設定でプログラムを組む場合はトレーニングの期間、頻度、セット数、レップ数によって調整が必要になる
以上が現段階での私の考えとなります。
この調整についてはまだ個人的に研究中です。
正直なところまだ自分の考えにも自信はありません。
しかしTMさんのおっしゃる通り、従来の%設定のプログラムには再考の余地があると思います。
個人的には、
最初から最後まで同じパーセンテージで重量を上げていくのは適切なのか?
プログラムのレップ数やボリュームの変化に応じて刻み幅のパーセンテージを変えるべきではないか?
といったことも気になるところです。
とりあえず現在はオリジナルのプログラムを色々と修正しながら実験しているところです。
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