
スモロフJrプログラム基本情報
対象レベル | 中〜上級者 |
対象種目 | スクワット、ベンチプレス |
頻度 | 4日/週 |
期間 | 4週間(3週間+MAX挑戦1週間) |
スモロフJrプログラム概要
スモロフJrプログラム
Week1
曜日 | 重量 | 回数 | セット数 |
月曜 | 70%1RM | 6 | 6 |
水曜 | 75%1RM | 5 | 7 |
金曜 | 80%1RM | 4 | 8 |
土曜 | 85%1RM | 3 | 10 |
Week2
曜日 | 重量 | 回数 | セット数 |
月曜 | 70%1RM+2.5~5kg | 6 | 6 |
水曜 | 75%1RM+2.5~5kg | 5 | 7 |
金曜 | 80%1RM+2.5~5kg | 4 | 8 |
土曜 | 85%1RM+2.5~5kg | 3 | 10 |
Week3
曜日 | 重量 | 回数 | セット数 |
月曜 | 70%1RM+5~10kg | 6 | 6 |
水曜 | 75%1RM+5~10kg | 5 | 7 |
金曜 | 80%1RM+5~10kg | 4 | 8 |
土曜 | 85%1RM+5~10kg | 3 | 10 |
Week4
調子のよい日を見計らってMAX挑戦
- 使用できる種目はスクワットやベンチプレス。
- デッドリフトには向かない。
- 1RM:MAXのこと。ギリギリ1回できる最大重量。
- 1RMをもとにパーセンテージで重量設定をする。
- 2週目、3週目は1週目の重量に2.5~5kg追加して行う。
- インターバルは十分に取る。
- 栄養、睡眠も十分に取る。
- 基本的に補助種目は行わない。やるとしても最小限に。
スモロフJr計算機
使用重量はこちらのサイトで計算できます。

スモロフJrプログラムを成功させるためのポイントと注意点
重量設定を90%1RMに設定する
スモロフJrプログラムは高頻度トレーニングに慣れていない人だとかなりの負担を感じることになるだろう。
はじめて高頻度プログラム日挑戦する場合は無理せずに導入として重量設定を90%RMにすることをおすすめする。
私もはじめは90%1RM設定で開始したがそれでも問題なくMAXを更新できた。
補助種目をカットする
スモロフJrプログラム実施時は基本的に補助種目は行わないことをおすすめする。
いつも通り補助種目を行っていると回復が間に合わず失敗したり怪我をしたりオーバートレーニングになったりする恐れがある。
スモロフJrはそれだけでもかなりのトレーニングボリュームになるため、無理にリスクを冒してまで補助種目を行う必要は無い。
インターバルは十分にとる
スモロフJrプログラムを行う際は十分にインターバルをとるべきだ。
ベンチプレスでは最低3分、スクワットでは最低5分はインターバルをとりたいところ。もちろん疲労が回復しなければもっととった方が良い。
他のプログラムと比較し、高重量を扱うことが多いため、神経系の疲労を考慮し、インターバルを長めにしなければならないのだ。また、疲労で集中力が切れていると怪我にも繋がりやすいので十分注意が必要だ。
トレーニング中の水分補給をしっかりと
スモロフJrプログラムはコンパウンド種目を高重量多セットのハイボリュームで長時間行うため、疲労や発汗が物凄い。
特に夏場ともなると大量の汗を掻くこととなる。
汗を掻きすぎるとパフォーマンスが落ちるし、あちこち攣りやすくなる。
そのため、水分補給はこまめにしっかりと行うようにするべきだ。
あと汗を掻きすぎるとトレーニング中に滑って危険なので注意したい。
栄養、睡眠をたっぷりとる
スモロフJrプログラムはコンパウンド種目を高重量ハイボリュームという性質上、筋肉や関節、神経系への負担がとても大きい。
そのため栄養・睡眠が不足していると回復が間に合わず一気に失敗や怪我のリスクが上がる。
プログラム実施期間中は十分な栄養補給と休息は必須条件と言える。
スケジュールが崩れそうになったら後ろにずらす
スモロフJrプログラムは週4日トレーニングを行う。
そのため、人によってはどうしても仕事の都合などで予定通りにトレーニングスケジュールをこなせなくなることもあるはずだ。
その場合は、前倒しでトレーニングを行うよりは、後ろに予定をずらした方が良いだろう。
たとえば3日とか4日とか連続でのトレーニングとなると回復が間に合わず怪我や失敗の可能性が上がってしまう。
そうなるよりは後ろに予定をずらした方が安全だ。
怪我をしそうになったら無理せず中断する
プログラムを始めたら当然成功させてMAXを更新したいと思うだろう。
しかし、どうしても回復が間に合わなかったり、身体に悪い痛みを感じることがあれば無理せずに中断する勇気も必要だ。
関節は消耗品であるため、悪い痛め方をすると取り返しがつかなくなることもある。
今後も長くトレーニングを続けていくためにも無茶はせずに身体を大切にしたい。
ジムで行うと占領行為になって周りに迷惑を掛ける可能性あり
スモロフJrプログラムは多セットな上にインターバルも長くなる。
しかも使用するのはジムでも大人気のベンチプレス台とパワーラック。
混んでいる時間帯であればはっきりいって周りからすれば占領行為に他ならないし、とても迷惑だ。
かといって早く終わらせようとしてインターバルを短くするのは危険。
そのためスモロフJrプログラムは場所や時間を選ぶトレーニングプログラムとも言えるだろう。
ジムで行う場合は、しっかりとルールを守って迷惑にならないようにするべきだ。
デッドリフトでは行わない
スモロフJrプログラムは主にスクワットとベンチプレス向けのプログラムだ。
間違ってもデッドリフトに採用してはいけない。
故障まっしぐらだ。
スモロフJrプログラムのメリット
シンプル
スモロフJrプログラムは内容自体はとてもシンプルで分かりやすい。
実際にやるのは相当ハードだが…
フォームが最適化される
フォームの最適化がスモロフJrプログラムの隠された肝だ。
このプログラムは、3週間でトータル93セット399レップを行うことになる。
これだけ多くのセット数・レップ数を行うと、色々な気付きがあるし、どんどんフォームが最適化されていくのが分かる。
セッティングが上手くなる
スモロフJrプログラムを行うと、スクワットもベンチプレスもセッティングがとても改善される。
理由はセット数が多いため、その分セッティングの練習回数も増えるからだ。
ボリュームが多いプログラムであれば他にも色々あるが、ここまでセット数が多いプログラムは中々ない。
セット数の多さはセッティング技術向上に役立つのだ。
高重量に対する恐怖心を払拭できる
スモロフJrプログラムではこれでもかというほど高重量を何度も何度も扱うことになる。
流石にそこまで高重量を扱っていると恐怖心は薄れる。
これは気が緩むという訳ではなくて、高重量でも自信を持っていつも通りのフォームでできるということである。
(健康な状態でクリアできれば)MAXが伸びる
栄養・睡眠が十分にとれていて、重量設定も適切で、更に高頻度プログラムがはじめてであれば、かなりの確率でMAXを更新できると思われる。
※すでに自身の遺伝子の限界に近付いている場合は除く。
私自身1回目のスモロフJrプログラムでスクワットを10kg、ベンチプレスで5kgMAX更新した。
その後も何度かスモロフJrプログラムを行いかなりMAXを更新することができた。
私としては今までに行ったプログラムの中で最もお世話になったプログラムと言える。
だがこれは健康的な状態を保ってプログラムを完遂できた場合。
ちなみに私は何度目かのスモロフJrで大腿四頭筋を肉離れしてしまったことがある。
スモロフJrプログラムのデメリット
時間が掛かる
スモロフJrプログラムはセット数が多くインターバルも長いためとても時間が掛かる。
たとえばスクワット3回×10セットをインターバル5分で行った場合、
アップやプレートの付け替えも含めると、最低でも50分以上は掛かるだろう。
また週4日と頻度も多いので、「それは難しい」という人も多いだろう。
時間帯や場所を選ぶ
例としてスクワットで50分掛かるとすると、50分もパワーラックを占領することになる。
これが許されるジムはほとんどないだろう。
あるとすればパワーリフティングジムで理解がある場合や、とても空いている時間帯、パワーラックを使用する人が全くいないジムなど限定的。
良いプログラムではあるが時間帯や場所を選ぶプログラムと言わざるを得ない。
他の種目を行う余裕がない
スモロフJrプログラムはそれだけで時間的にも体力的にもかなりのボリュームになる。
そのため他の種目を行う余裕がかなり少なくなる。
ちなみに「いやいや、俺はまだまだできる」といって補助種目までやってしまうと次のトレーニングに響いて失敗するので注意。
他のプログラムよりもキツイ
スモロフJrプログラムは他の様々なプログラムと比較しても飛びぬけてキツイ。
ボリューム・強度共に身体にはとてつもない負担になることは言うまでもない。
デッドリフトを行う余裕がない
スモロフJrプログラムを行っている期間は体力的にも時間的にもデッドリフトを行う余裕がなくなる。
これはパワーリフターの場合だとかなりのデメリット。
BIG3全てを強化していくのには向かない。
強度が強すぎ、ボリュームが多すぎ
スモロフJrプログラムははっきりいって強度・ボリューム共にかなりやりすぎだ。
普通に考えてここまで多くのセットをやる必要性はないだろう。
やるとすればオーバーリーチングを狙う場合ぐらいだろう。
またボリュームが多すぎることで、スモロフJrプログラムが終わった後に更にボリュームを増やせるようなプログラムが見当たらない点も難点だ。
回復力が低い人は無理
スモロフJrプログラムは人を選ぶ種目だ。
回復力が低い人は現実的に難しいだろう。
怪我のリスクが高い
プログラム自体の強度・ボリュームが非常に高いため、怪我のリスクはかなり高くなる。
違和感や痛みがあるのに無理に続けると普通に怪我するので注意だ。
重量がパーセンテージ設定
最近は重量設定や回数設定はRPE(自覚的運動強度)を基に決めるのが主流となってきているが、スモロフJrプログラムはパーセンテージ設定。
個人差やその日の調子に関係なくメニューが決まってしまう。
そのため物凄く重量設定がキツク感じてしまう人もいるだろう。
またその日の調子によって全然メニューをこなせない日が出てくることもあるだろう。
パワーリフティング目線で見たスモロフJrプログラム
ご覧の通りスモロフJrプログラムはかなりデメリットやリスクの多いプログラムだ。
そのため基本的にはパワーリフティング用のプログラムとしておすすめできない。
もしもやるなら、1サイクル限定にしたり、設定重量を90%1RM設定にする等の対策が必要だ。
負荷を軽めに設定すれば怪我のリスクを抑え、トレーニングボリュームの増加とフォームの改善というメリットを活かせるだろう。ただしその場合、筋力強化という側面は弱くなってしまう。
色々考えるとどうもパワーリフティング用のプログラムとしてはバランスが悪いというのが正直な感想だ。
スモロフJrプログラムまとめ
スモロフJrプログラムは…
- 高頻度高強度低レップ多セットプログラム
- 十分な栄養補給と睡眠は必須
- 怪我しそうなときは中断する勇気も必要
- 時間が掛かるので周りの迷惑にならないよう十分注意
- デメリットが非常に多いプログラムでもある



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